2級商業簿記項目  第二



第二  諸取引処理

1. 現金預金

キ. 銀行勘定調整表

企業の当座預金勘定の残高と銀行の帳簿残高との間に不一致が生じることが少なくない。

原因
@ 企業は入金と記入しているが、銀行では未記入の場合
A 銀行は入金と記入しているが、企業では未記入の場合
B 企業は出金と記入しているが、銀行では未記入の場合
C 銀行は出金と記入しているが、企業では未記入の場合

銀行勘定調整表:
残高の不一致の原因を明らかにして、双方の記録の正確性を確認するために作成される。

作成方法
(a) 企業の残高を銀行の残高に一致させる方法
(b) 銀行の残高を企業の残高に一致させる方法
(c) 両者の残高を適正残高に一致させる方法

(a) 企業の残高を調整する方法 (b) 銀行の残高を調整する方法
当座預金勘定残高 ×××
加算: 原因A ×××  
  原因B ××× ×××
減算:  原因@ ×××  
  原因C ××× ×××
銀行残高 ×××
銀行残高 ×××
加算: 原因@ ×××  
  原因C ××× ×××
減算:  原因A ×××  
  原因B ××× ×××
当座預金残高 ×××
(c) 両者の残高を調整する方法
当座預金勘定残高 ×××    銀行残高     ×××
加算: 原因A ××× 加算: 原因@ ×××
減算: 原因C ××× 減算: 原因B ×××
修正残高 ××× 修正残高 ×××

原因 項目 内容例と処理方法
@ 未取立小切手 他人振出小切手の取立を銀行に依頼していたが、入金がない場合。
取立が済めば一致するので処理は不要
@ 時間外預入れ 企業が現金を当座預金口座へ預け入れたが、銀行の閉店後であったため、銀行では翌日付の入金として扱われた場合。
銀行が預入れの処理をすれば済むので処理は不要
A 連絡未達、
未記入
手形代金が期日決済により取り立てられたが、通知が未達である場合。
適正な仕訳を行う。
B 未渡小切手 小切手を作成したがまだ渡していない場合。振出し時の逆の仕訳を行う。
決算時には費用を取り消さずに貸方を未払金とする
B 未取付小切手 仕入先に振り出した小切手を、当該仕入先が銀行から取り立てていない場合。
仕入先が取り立てれば一致するので処理は不要
C 連絡未達、
未記入
送金手数料が当座預金から引き落とされていたが、通知が未達である場合。
適正な仕訳を行う。


2. 有価証券

ア. 売買 -- 債権の端数利息

端数利息:
前利払日翌日から売買時までの利息は売主の利息、売買時から次回利払日までの利息は買主の利息となる。売主は売買時までの利息をまだ受けとっていないので、買主は売主に売主の利息をいったん支払い、次回利払日に売主の利息と買主の利息の両方を受けとる。

6か月分の利息
売主の利息 買主の利息

端数利息 = 公社債の額面総額×年利率×(前利払日翌日から売買時までの日数/365日)

例) 爺捨商店は、5月10日に \8,000,000の鎌切会社社債(年利率7.3%)を一口 \97で購入し、代金は端数利息を含めて小切手を振り出して支払った。この社債の利払日は、3月と9月の末日の年2回である。
  8,000,000×0.073×(40日/365日) = 64,000

(借) 有価証券 7,760,000 (貸) 当座預金 7,824,000
有価証券利息 64,000  


オ.貸付、借入、差入、預り

借入金の担保として有価証券を差し入れることがある。
貸付、差入の側は帳簿価額で記入。借入、預りの側は時価で記入。

[貸す側]
(借) 貸付有価証券 1,000,000 (貸) 有価証券 1,000,000
[借りる側]
(借) 保管有価証券 1,300,000 (貸) 借入有価証券 1,300,000

[受け入れる側]
(借) 貸付金 1,000,000 (貸) 現金 1,000,000
  保管有価証券 1,300,000   預り有価証券 1,300,000
[差し入れる側]
(借) 現金 1,000,000 (貸) 借入金 1,000,000
  差入有価証券 1,000,000   有価証券 1,000,000


4. その他の債権と債務

ア. 貸付金、借入金 -- 債務の保証

偶発債務:

現在はまだ確定した債務ではないが、将来一定の事象が生じた場合に法律上の債務となる可能性のある債務のこと。

(借) 保証債務見返 5,000,000 (貸) 保証債務 5,000,000


5. 手形

イ. 裏書譲渡、割引 -- 偶発債務

不渡り:  
期日に手形金額が預け入れられていない場合、支払期日時点で手形を所有している所持人が、取引銀行に取立てを依頼しても支払いを拒絶されること。

遡求、償還請求:  
手形が不渡りとなった場合、手形の所持人は裏書した裏書人に対して支払いを求めることができる。

(1) 裏書譲渡

[評価勘定]
(借) 買掛金 700,000 (貸) 裏書手形 700,000
[対照勘定]
(借) 買掛金 700,000 (貸) 受取手形 700,000
  裏書義務見返 700,000   裏書義務 700,000

(2) 割引

割引料 = 手形金額 × 年利率 × (割引日数 / 365日)

両端入れ:
割引日数には、割引日と支払期日の両方が含められる。

例) 当社は、4/19に手持ちの瓜売商店振出の約束手形 (6/30満期日) \300,000を取引銀行で割り引き、割引料を差し引いた金額を当座預金とした。 割引率は、年7.3である。
    割引料 = 300,000×0.073×(73/365) = 4800
[評価勘定]
(借) 当座預金 295,200 (貸) 割引手形 300,000
  支払割引料 4,800    
[対照勘定]
(借) 当座預金 295,200 (貸) 受取手形 300,000
  支払割引料 4,800    
  割引義務見返 300,000   割引義務 300,000


ウ. 手形の更改、不渡

(1) 不渡り
(1.1) 裏書した場合

[評価勘定]
(借) 不渡手形 706,000 (貸) 当座預金 706,000
  裏書手形 700,000   受取手形 700,000
[対照勘定]
(借) 不渡手形 706,000 (貸) 当座預金 706,000
  裏書義務 700,000   裏書義務見返 700,000

(1.2) 割引した場合

[評価勘定]
(借) 不渡手形 300,800 (貸) 当座預金 308,000
  割引手形 300,000   受取手形 300,000
[対照勘定]
(借) 不渡手形 308,000 (貸) 当座預金 308,000
  割引義務 300,000   割引義務見返 300,000

(2) 更改

資金繰りの関係から支払期日に手形を決済できなくなった手形債務者が、手形債権者に対して期日の延長を要請し、承諾された場合に新たに手形を振出し、旧手形と交換する。
この手続きにより、旧手形の債権・債務は消滅し、新手形の債務・債権が発生する。
また、その場合、利息が新手形の金額に含められることがある。

[手形債権者]
(借) 受取手形 306,000 (貸) 受取手形 300,000
      受取利息 6,000
[手形債務者]
(借) 支払手形 300,000 (貸) 支払手形 306,000
  支払利息 6,000      

エ. 荷為替手形

荷為替手形の取組み:  
遠方の取引先と商品の売買を行う場合、売主は売上代金を早期に回収するため、運送中の商品を担保とし、買主人を支払人とする為替手形を振り出して、この手形を銀行に割り引いてもらうこと。通常、荷為替手形の額面金額は、商品代金の7割から8割とされ、残額を売掛金とする。

@ 取り組んだ側
A 引き受けた側

@ (借) 当座預金 397,500 (貸) 売上 500,000
    支払割引料 2,500    
    売掛金 100,000      
A (借) 仕入 500,000 (貸) 支払手形 400,000
          買掛金 100,000


6. 引当金

引当金   資産の評価勘定としての
性質を持つ引当金
貸倒引当金
負債の性質を持つ引当金   流動負債   修繕引当金・賞与引当金など
固定負債   退職給与引当金など

1年基準 (one-year-rule):
決算日の翌日から1年以内に支払われる負債を流動負債、
1年を超えて支払われる負債を固定負債という。

. 貸倒引当金 − 洗替法

参照2級 第三 3.(2) 1. 貸倒引当金

. 商品保証引当金

. 退職給与引当金

参照2級 第三 3.(2) 3. 退職給与引当金

オ. 修繕引当金

改良: 資本的支出  固定資産の能力、能率を高める。固定資産の増加として処理する。
修繕: 収益的支出  固定資産の通常の修繕のための費用や、過度の使用による減耗や事故などによる損傷を修復するための費用。修繕費として処理する。

<1>修繕引当金を計上した。
<2>建物の修繕と改良を行った。

<1> (借) 修繕引当金繰入 1,300,000 (貸) 修繕引当金 1,300,000
<2> (借) 建物 4,500,000 (貸) 当座預金 6,500,000
    修繕引当金 1,300,000      
    修繕費 700,000      


7. 商品

ウ. その他の方法による売買取引の処理

オ. 仕入および売上の割引

割引:
商品の代金を約定の期日前に決済した場合に、代金の一部を免除するという売手が買手に与える特権のこと。

@ 売手側  A 買手側

@ (借) 現金 332,500 (貸) 売掛金 350,000
    売上割引 17,500    
A (借) 買掛金 350,000 (貸) 仕入割引 17,500
          当座預金 332,500


キ. 商品有高帳

B 後入先出法

      その都度後入先出法
      月別後入先出法
      期別後入先出法
C 総平均法 (加重平均法)

ク. 棚卸減耗

参照2級 第三 3.(1) 1. 棚卸減耗

ケ. 評価替え

参照2級 第三 3.(1) 2. 商品評価損


8. 未着品売買

貨物代表証券:
商品の運送を請け負う業者が発行する有価証券で、陸運業者が発行する貨物引換証と、海運業者が発行する船荷証券がある。遠隔地間の商品の売買において、売主は注文品の発送と同時に貨物代表証券を買主に送付する。買主はこの貨物代表証券と引換に運送業者から商品を引き取る。

<1> 貨物代表証券を入手した場合の処理

(借) 未着品 700,000 (貸) 支払手形 500,000
  買掛金 200,000

<2> 商品到着時の処理

注: 引取運賃などの仕入費用は商品の取得原価に含めるために仕入勘定に加える。

(借) 仕入 704,500 (貸) 未着品 700,000
  現金 4,500

<3> 貨物代表証券を売却した場合の処理

[分記法]
(借) 当座預金 800,000 (貸) 未着品 700,000
  未着品販売益 100,000
[三分法]
(借) 当座預金 800,000 (貸) 未着品売上 800,000
  仕入 700,000   未着品 700,000

<4> 決算時の処理

[分記法]
(借) 未着品販売益 100,000 (貸) 損益 100,000
[三分法]
(借) 損益 700,000 (貸) 仕入 700,000
  未着品売上 800,000   損益 800,000


9. 委託販売

<1> 商品発送時の処理

注: 発送費は積送品勘定に含める。

(借) 積送品 549,000 (貸) 仕入 540,000
  現金 9,000
(原価 @\900, 数量600個)

<2> 売上計算書を入手した時の処理

売上計算書:
受託者が売上の明細を作成したもので、委託者に送付する。

[分記法]
(借) 当座預金 335,200 (貸) 積送品 274,500
  積送品販売益 60,700
[三分法]
(借) 仕入 274,500 (貸) 積送品 274,500
  当座預金 335,200   積送品売上 335,200
(売上高 @\1,200, 数量300個  保管料、手数料差引後、\335200)

<3> 決算時の処理

[分記法]
(借) 積送品販売益 60,700 (貸) 損益 60,700
[三分法]
(借) 仕入 274,500 (貸) 積送品 274,500
繰越商品 274,500   仕入 274,500
損益 274,500   仕入 274,500
  積送品売上 335,200   損益 335,200


10. 受託販売

<1> 商品受入時の処理

受入時は自己が仕入れた商品ではないから仕訳なし。
保管料の支払は立替となる。
(借) 受託販売 4,000 (貸) 当座預金 4,000
(保管料 \4,000)

<2> 受託商品販売時の処理

(借) 当座預金 13,000,000 (貸) 受託販売 13,000,000

<3> 売上計算書作成時および販売代金支払時の処理

(借) 受託販売 12,996,000 (貸) 受取手数料 780,000
      当座預金 12,216,000


11. 割賦販売

販売基準:
通常の掛による販売と同様に計上する。
回収基準:
通常の短期債権に比べて貸倒れの可能性が高いので、当期に入金した金額だけを売上として計上する。

<1> 販売時の処理

[販売基準]
(借) 売掛金 320,000 (貸) 割賦売上 320,000
[回収基準]
(借) 割賦売掛金 320,000 (貸) 割賦仮売上 320,000

<2> 代金回収時の処理

[販売基準]
(借) 現金 40,000 (貸) 売掛金 40,000
[回収基準]
(借) 現金 40,000 (貸) 割賦売上 40,000
  割賦仮売上 40,000   割賦売掛金 40,000

<3> 決算時の処理

期末商品棚卸高に加える原価 = 割賦売掛金残高×(割賦売上原価/割賦売上高)

[回収基準]
(借) 繰越商品 160,000 (貸) 仕入 160,000


12. 試用販売

<1> 商品発送時の処理

[対照勘定]
(借) 試用販売売掛金 68,000 (貸) 試用販売仮売上 68,000
[試用品勘定]
(借) 試用品 50,000 (貸) 仕入 50,000

<2> 購入の意思表示があった時の処理

[対照勘定]
(借) 売掛金 68,000 (貸) 試用売上 68,000
  試用販売仮売上 68,000   試用販売売掛金 68,000
[試用品勘定]
(借) 売掛金 68,000 (貸) 試用売上 68,000
  仕入 50,000   試用品 50,000

<3> 試用品返却時の処理

[対照勘定]
(借) 試用販売仮売上 68,000 (貸) 試用販売売掛金 68,000
[試用品勘定]
(借) 仕入 50,000 (貸) 試用品 50,000

<4> 決算時の処理

[対照勘定]
(借) 繰越商品 50,000 (貸) 仕入 50,000
[試用品勘定]
(借) 仕入 50,000 (貸) 試用品 50,000
  繰越商品 50,000   仕入 50,000


13. 予約販売

・予約受取り (借) 現金 24,000 (貸) 前受金 24,000
・商品引渡し (借) 前受金 2,000 (貸) 売上 2,000


16. 固定資産

@ 有形固定資産 償却資産 建物、構築物、機械・装置、船舶、車両運搬具、工具器具、備品
非償却資産 土地
A 無形固定資産 営業権
特許権、商標権、実用新案権、意匠権、鉱業権
B 投資その他の資産 投資資産、長期前払費用

ウ. 有形固定資産の除却、廃棄

(借) 備品減価償却累計額 40,000 (貸) 備品 60,000
  固定資産除却損 20,000  

固定資産の減失

火災や自然災害などの原因による破損。
保険などがかけられている場合は未決算勘定で処理しておく。
そして、保険会社から支払われる保険金額が決まり、保険金でまかなえれば、その差額を臨時損失とし、保険金が固定資産の帳簿価格を上回る場合は、保険差益として処理する。

<1> バケツ燃料会社は放射能汚染により建物 (取得原価 \7,200,000 減価償却累計額 \3,300,000)が減失した。なお、この建物には、\4,000,000の放射能保険がかけられている。
<2> 保険金が全額支払われ、ただちに当座預金とした。

<1> (借) 建物減価償却累計額 3,300,000 (貸) 建物 7,200,000
    未決算 3,900,000  
<2> (借) 当座預金 4,000,000 (貸) 未決算 3,900,000
          保険差益 100,000

エ. 建設仮勘定

<1>工事に先立って前払をした。
<2>工事が完成して建物の引渡しを受けた。

<1> (借) 建設仮勘定 4,500,000 (貸) 当座預金 4,500,000
<2> (借) 建物 9,000,000 (貸) 建設仮勘定 4,500,000
          当座預金 2,000,000
          未払金 2,500,000

ク. 無形固定資産

営業権 = 支出額 − (諸資産 − 諸負債)

例) 道里商店は以下の財政状態にある栗山商店を \2,300,000で買収した。
  諸資産 \4,000,000 諸負債 \2,500,000 資本 \1,500,000

(借) 諸資産 4,000,000 (貸) 諸負債 2,500,000
営業権 800,000   当座預金 2,300,000

ケ. 投資

コ. 長期前払費用

1年を超える長期の費用の前払分のこと。

(借) 前払貸借料 720,000 (貸) 貸借料 1,260,000
長期前払貸借料 540,000    
(10月1に2年分の貸借料 \1,440,000を払ったが、12月31日の決算にあたり前払分を計上した。)


17. 繰延資産

繰延資産:
支出した効果が次年度以降にも及ぶので、支出した年度に全額費用としないで、資産として次年度以降に繰延べることができるような資産のこと。
創立費、開業費、新株発行費、社債発行差金、社債発行費がある。
いずれも限定された期間内に毎年均等に償却を行う。

参照. 2級 第三 3.(6) 繰延資産の償却
参照. 2級 第四 1.ア. 設立


22. 税金

国税: 所得税、法人税、印紙税
地方税: 住民税、事業税、固定資産税

費用となる税金→租税公課勘定または当該税金を示す勘定: 固定資産税、事業税、登録免許税、印紙税
費用とならない税金→資本の引き出し: 所得税、住民税

ア. 所得税

イ. 固定資産税

株式会社の場合

土地や建物などの固定資産を所有している個人や会社に対して、ふつう、市町村などが課す税金。
納税通知書によって4期に分けて納付する。
納付通知書が送付されたら、いったん全額(第1期分〜第4期分)を租税公課勘定と未払税金勘定で処理してしまい、実際に納付したときに未払税金勘定を減少させる。

<1> 神龍株式会社は固定資産税の納税通知書を受け取った。納付額は \200,000。
<2> 上記の固定資産税のうち \50,000を現金で納付した。

<1> (借) 租税公課 200,000 (貸) 未払税金 200,000
    (固定資産税)     (未払固定資産税)  
<2> (借) 未払税金 50,000 (貸) 現金 50,000
    (未払固定資産税)        


ウ. 法人税、住民税
エ. 事業税

個人企業の場合

住民税

都道府県および市町村が、その地域の住民および会社に対して課す税金。
住民に均等に課される均等割額と前年の所得に応じて計算される所得割額から構成され、通所は4期に分けて納付する。
費用とならない税金なので、現金で納付した場合は、資本の引出しとなる。

事業税

都道府県が事業を営む個人や法人に対して課す税金。
前年度の所得に応じて課され、通常は2期に分けて納付する。
事業税は費用となるため、租税公課勘定または事業税勘定も用いる。

・住民税 (借) 資本金 120,000 (貸) 現金 120,000
    (引出金)        
・事業税 (借) 租税公課 175,000 (貸) 現金 175,000
    (事業税)        

株式会社の場合

(1) 法人税

会社の所得に対して課せられる税金。

確定申告: 決算にもとづく所得や法人税額を税務署に申告すること。
中間申告:
会計期間が1年の会社は、事業年度開始から6ヶ月を経過してから2ヶ月以内に中間申告を行い、前年度の法人税の2分の1に相当する額か、6ヶ月を1事業年度とみなして仮決算を行い計算した半年分の法人税額のどちらかを納付する。

<1> 北斗七星株式会社(決算日1回3月31日)は、法人税の中間申告を行い、前年度の法人税額 \1,400,000の2分の1を小切手を振り出して支払った。
<2> 決算にあたり、当期の法人税 \1,500,000を計上した。

<1> (借) 仮払法人税 700,000 (貸) 当座預金 700,000
<2> (借) 法人税 1,500,000 (貸) 仮払法人税 700,000
          未払法人税 800,000

(2) 住民税

会社の場合、法人税額に対して一定の率を掛けて算出した金額と、資本金などの金額や従業員数によって決められる均等割額との合計が税額となる。

(3) 事業税

住民税および事業税の申告や納付の方法、記帳法は法人税と同じなので、ふつう、法人税、住民税、事業税をあわせて仮払法人税等勘定、法人税等勘定、未払法人税等勘定を用いて記帳する。

例) 南斗六星株式会社は(決算日1回3月31日)は、当期の法人税 \1,500,000、住民税 \300,000、事業税 \200,000を計上した。ただし、中間申告によって、法人税 \700,000、住民税 \120,000、事業税 \80,000を納付している。

(借) 法人税等 2,000,000 (貸) 仮払法人税等 900,000
        未払法人税等 1,100,000


オ. 消費税

事業者が行った営業活動に対して、その取引金額に応じて一定の税率で課せられる税金。
製造業者→卸売業者→小売業者→消費者へと順次行われる取引のすべての段階で課税されるが、その税金は順次、先に転嫁していく。(支払った消費税は次の買手に負担させる。)
そして、最終的には消費者が負担する。

<1> 仕入

[税抜方式]
(借) 仕入 300,000 (貸) 現金 315,000
  仮払消費税 15,000      
[税込方式]
(借) 仕入 315,000 (貸) 現金 315,000

<2> 売上

[税抜方式]
(借) 現金 409,500 (貸) 売上 390,000
        仮受消費税 19,500
[税込方式]
(借) 現金 409,500 (貸) 売上 409,500

<3> 決算

[税抜方式]
(借) 仮受消費税 19,500 (貸) 仮払消費税 15,000
        未払消費税 4,500
[税込方式]
(借) 消費税 4,500 (貸) 未払消費税 4,500

<4> 確定申告

(借) 未払消費税 4,500 (貸) 現金 4,500
 
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