1. 資産・負債・資本・費用・収益

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図1.10 負債の減少と資本に関する取引

(11) 資本の増加−負債の減少

例) (原理的にはありそうだけど、いい例が見当たりません。)

(借)     (貸)    

負債が減少したので、負債の減少ベクトル(赤色の上方向の矢印)を書きます。また、資本が増加したので、資本の増加ベクトル(青色の上方向の矢印)を書きます。
資産の金額に変化はありませんが、その内訳を見ると資本が増加して負債が減少したので、資産棒をその分だけ上にずらします(青の点線の四角部分がカットされ、赤の点線の四角部分につけ加わる)。

(12) 収益の発生−負債の減少

例) 猪突商店は、成金銀行と限度額\200,000の当座借越契約を結んでおり、当座借越\30,000があった。猛進商店へ商品\30,000を売り上げ、同店振出の小切手で受け取り、直ちに当座預金に預け入れた。

(借) 当座借越 30,000 (貸) 売上 30,000

売上という収益が発生したので、まだ資本は増加していないが、資本の増加につながることを示すためのベクトル(青色の上方向の点線の矢印)を書きます。また、収益の発生が原因で当座借越という負債が減少したので、負債の減少ベクトル(赤色の上方向の矢印)を書きます。
資産の金額に変化はありませんが、その内訳を見ると資本が増加して負債が減少したので、資産棒をその分だけ上にずらします。

(13) 資本の増加−資本の減少

例) 化猫株式会社は、会社設立にあたり、額面株式 (1株の額面総額 \50,000) 200株を1株 \50,000で発行し、応募者から200株の発行価額と同額の申込証拠金が払込取扱銀行の別段預金にすでに払い込まれていた。そして、申込証拠金を資本金勘定に振り替えた。(別段預金の当座預金への預け替えは省略)。

(借) 株式申込証拠金 10,000,000 (貸) 資本金 10,000,000

株式申込証拠金という資本が減少し、資本金という資本がその分だけ増加したので、結果として資本は変化ありません。資産、負債も変化はありません。

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