道里千虎の日記帳
2001年4月


2001年4月27日


本郷の御殿下記念館という運動施設の入館料がなんと大幅値上げされてしまった。
学生1回200円がなんと300円に。1年パス5000円も8000円に。
もともと安いから文句いえないにしても、突然あがると高く感じるものである。
毎年ちょっとづつあげていけばいいのにねえ。

ところで、今日は松下のサイトでこんなもの見つけました。
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賢人ばかり
 世の中は賢人がそろっておれば万事うまくいく、というものでは決してありません。賢人は一人いれば、それで十分なんです。さらに準賢人が三人、準々賢人が四人ぐらい。そんな具合に人が集まれば上々でしょう。賢人ばかりですと議論倒れで一向に仕事がはかどらないといったようなことになりがちです。
 一つの実例をあげれば、ある会社で三人の立派な人物が、お互いに協力しあっていたはずなのにどうもうまくいかない。そこで一人を抜いてみた。すると残る二人の仲がピタッと合って非常にうまくいき、抜かれた人物も他の分野で成功した。そんなことがよくあるものなのです。
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この言葉は日本の戦後の高度成長の理由と現在の不況の理由を端的にあらわしていると思う。
この世の中、頭が切れて人柄がよくて体力があって未来を見通せて常に前向きなんていう万能な人は数える人しかいない。本当は与えられた仕事をやるほうが性にあっている人もおおいはず。
だいたいリーダーばかりいても部下がいなかったら機動力は小さいはずです。
戦国の武将なんかを見ると、よきリーダーとリーダーに忠実な部下そこそこたくさんという組織が一番強い。
戦後の貧困の中で、中学卒、高校卒で就職してきたたくさんの若者をそれぞれの能力に応じて一人前に育てあげた業績はものすごい。
この世の中には役にたたない人間などおらず、その人の長所を引き出して適所に配置してやれば、ある分野では優秀な人をも寄せ付けないほどの能力を発揮できると思う。
現在、役にたたない若い社員が多いということは、すなわち、人を育てることのできる教師としてのリーダがいないということなのでしょう。
金をたくさん儲けるリーダーはたくさんいますがね。

2001年4月26日


またまた最近日記を書いていません。
就職やら研究やらドイツ研修準備やらで頭がいっぱいなのです。

近頃、手塚治虫のBLACKJACKという漫画を読んでいます。
子供のころはほとんど漫画を読まず小説ばかり読んでいた私ですが、突然に引き付けられました。
高校生のときに友人に借りて一度読んだことがあるのですが、もう一度読みたくなり買ってしまいました。
BLACKJACKは漫画とはいえ、通常の漫画の域をかなりこえています。つまり内容が深すぎます。
空き時間にささっと読んであとは捨てるようなものではなく、じっくりと何度も繰り返して読むものでしょう。
医学のあり方はもちろん、人間の生死、さまざまな人生、喜び、苦痛がひしめいています。
何としてでも命を救うBLACKJACKに対して、病気や怪我で死ねずに苦しんでいる人を安楽死させるキリコ。両者の対比もさることながら、そこに、本間先生の「人間の生死を操ろうなんておこがましいと思わんかね」という痛烈な一言が入る。
人も動物も死ぬときは死ぬ。神に召される。それに反して医学が無理に命を引き伸ばす。しかし、人の命を救うことが医学の宿命。
こんな矛盾したやりきれないこの世の論理をたった数十ページのまんがとして次々と書かれる。
いっそのことこのまんがを小中学校の道徳の教科書にしたらどうだとくらい思えてしまった。
大人でも心の貧しい方はぜひ一度読めばよいと思います。
ただし、共感する心のまったくない人は読んでも無駄でしょうが。

2001年4月20日


ようやく輪講発表が終わりました。
同じ部屋の別の二人の発表者は光デバイス系の人だったので、
内容がまったく違い質問がほとんどきませんでした。
午後はぶらぶらと散歩をした後、夕方に
代々木の白湯らーめんみかわやで博多らーめんを食べました。
最近、店の前にらーめん雑誌の切抜きを貼っているところがよくあるけれど、
それほどおいしくなかったりしますね。
この店も店の広さのわりには、客が一人二人しか入っていないのでかなりやばいかもしれない。
研究室に戻ってからは、Age of Empire 2をネットでやってしまいました。
久しぶりにゲームをやったなあ。

2001年4月19日


最近、日記書いてなかったなあ。毎日10時間はモニターに向かっているんですけどねー。
いよいよ明日、学校で研究中間発表です。OHPも資料も無事につくり終わりあとは寝るだけです。
余裕があったら私の研究の成果をホームページ上でのせましょう。といって他の方が理解できるかわかりませんが。
でも余裕のできるのっていったいいつなんだ。
6-7月がドイツで研修。8月はチップ設計。9月は学会発表。10月かな。いや測定が待っている。
結局、卒業前の3月くらいか。いやいや、それ前になんかのせましょう。

2001年4月14日


来週の金曜日に発表があるので今日は発表資料つくりでした。
といってもまだシミュレーションが完全に終わっていないので、
SRAMの消費電力とノイズマージンについて評価しました。
(わからない方は適当に読み飛ばしてください。)
シミュレーション上では通常のSRAMの5分の1の消費電力であることを確認。
さっそくグラフにして眺めてみました。
消費電力は改善されるけど、面積と速度はいまいち難なんです。
何事もこっちが立てばあっちが立たずなのかー。
さて、あともう一仕事。

2001年4月13日


Ciscowaveという幕張メッセで開かれたネット系会社の展示会に行ってきました。
ほとんどは企業で団体できている人たちですが、かなり混みあっていました。
内容はネットワークの構築、サーバ、IP、ITトレーニングといったもので、
内容を知っている人にはたいへんおもしろいものだと思います。
Ciscoが主催しているせいか、随所にCiscoのルータやスイッチングサーバが置かれていました。
一般の人には目の届かないところに置かれているので、あまり意識しませんが、
インターネットの根幹には相当入り込んできていると感じました。
各社よほど売り込みたいのかアンケートをひたすら配りプレゼントを充実させていました。
どこも派手にブースを組んでいましたが、よーく考えると展示内容がどこも似ているような気がしました。
例えば、インターネット電話とかデータセンタ、ネットワークシステム、コンサルなどなどです。
技術の進歩はすごいけどそこを流れるデータの内容についてはあまり考慮されていない感じがします。
将来、全家庭に張りめぐらされた光ファイバ内を流れる情報のほとんどが、とある画像(静動両含む)だったりして。
やや個性があったものは、アジレントテクノロジーのルータのテスト器、
社名忘れたけれど、USB接続の認証のための小さなキーなどです。

今後もネット化は進むでしょうが、今のシステムではせいぜい先進国どまりで、コンピュータを見ることさえできない人たちが世界に何十億人とあふれることになるでしょう。
ネットインフラ系企業には、お金をもうけるのもよいけれど、もっと技術そのものに情熱を持ったり、未来の社会の理想像を描いてほしいと思うこのごろです。
技術の進歩は必ずしも人間の幸せに結びつきませんからねー。

2001年4月9日


ついにIPアドレスを計算機室から取得しました。157.82.155.5です。
ホスト名はsuzaka。須坂という地名にちなんでつけられました。なぜかはわかる人はわかると思う。
Apacheも立ち上げ成功です。が、まだ各ユーザーのページがPermission Deniedで表示されません。.confファイルは正しく書いて再起動したからいいはずなのになあ。
それでも、Windows系のサーバからはるかに楽ですね。あっちだと何万も出してソフトを買ったうえに本を買って読まなければいけませんからね。こっちはフリー。情報はWEBに盛りだくさん。
でも、さすがに初心者は使いづらいだろう。
10年後はWindowsもLinuxも消えてもらうことになるでしょう。理由はひ・み・つ!

2001年4月8日


うーん、かなり日記を書くのを怠ってしまった。
いつも書こうとするといつのまにか終電ぎりぎりの時間なんですよね。(研究室で書いていますので。)

某金融会社に今年就職したW氏と会ってきました。
さすが、300年の伝統を誇る会社だけあってさすがちがいますなあ。
研修中に寝込む人がかなりいて、おまけに役員も寝るらしい。
よっ、太っ腹。その友人もなぜか突然太っ腹になってよくおごってくれるようになりました。
うーん、就職して変わったというより変になったような(笑)。

話は変わって、日経エレクトロニクス最新号にのっているソニーコンピューターエンターテイメントの久多良木健社長のインタビュー内容に共感を受けました。
最近は純粋な技術者が少なくなってきています。真理を追究したりものを造りだす喜びがだんだん薄れ、株価に一喜一憂しIT、ソリューションなどという用語にたぶらかされる人が増えてきています。
かつてはコンピュータあるいは半導体と完全にハードウェア系だった、IBM,; Heulett,; CompaqといったUSの大企業がネットを用いたソリューションとかに路線を大きく変更していく中で、学生も社会人も技術の本質を忘れているような気がします。
技術者はやはり自分の手を物を造りあるいは組立て、自ら生み出したもので勝負すべきではないでしょうか。
もちろん、プレゼンをやって顧客に売り込むことも大切ですが。
しかし、日本がなぜあんなに高度成長を遂げ技術世界ナンバーワンに輝いたのかを考えると、製品が非常に優れていたことにほかならないと思うのです。
何百人の営業マンを使いCMを流して派手に売り込まなくても、圧倒的に優れた品質の製品は売れるのです。
もし、日本のメーカー全般が、ソリューションというあいまいな方向に路線変更するならば、将来は非常に厳しい立場に立たされそうです。
売り込む(はったりをかます)能力はアメリカ人の方が本能的に優れていそうですからね。
やはり日本は技術で勝負すべきでしょう。
Linus Torvaldsさんなんかも、金だ株価だというよりも、あくまでもプログラミングにこだわりたいと言っています。
本当に技術にこだわる人がもっと増えてくるといいですね。といっても、少子化、理系離れでその可能性は限りなく薄いですが。

2001年4月3日


最近、妙に時間がすぎるのが速いのです。
研究室にきた後、メールを見て、友人と会いしばらく話して戻ってきた後、
論文検索をしていたらすでに出なければいけない時間になってしまった。
少林寺拳法を習ったあと、家に帰り、
英語とドイツ語のラジオ講座を聞いたらもう寝る時間です。

人間は年を経ると時間が速くたつように感じるようですが、それにしても速すぎる。
あまりにもせせこましく人生を送っていると老化が早まるなんてありませんよね。ちょっと心配。
企業に必要なのはスピードでも、個人に必要なのはゆったりとしたテンポなのかもしれない。
といいながら、私はあまりゆったりとできない性格なんです。
他人から見るとのんびりしているように見えるらしいけど、実はかなりせせこましいと最近自分で思っています。
電車に一人で乗ればすぐに本を読むし、旅行しても何時何分にこの電車に乗って、ここは何分で見学などと細かい超ハードスケジュールをたててしまいます。
人間は誰でも自分とは違うものを求めたがるものなんですね。
南ヨーロッパあたりをのんびりと旅してみたいなあなどと。

2001年4月1日


 もう一つの話題はフランス大手スーパーのCarrefour(カルフール)
幕張駅側から見ると青色装飾のコンペセンターみたい。
中は食品・雑貨さけでなく、書店、アメニティ、薬局、レストランなど入った総合スーパーですが、日本の普通のスーパーと大きく違う点があります。

1. カートがでっかくて建物内ならどこでも押し歩ける。
普通、カートは食品売り場にしかありませんが、ここはどこでも持っていけるのです。
そのためエスカレータは段ではなく歩く歩道の斜めバージョン。
カートもとてもでっかくて子供をのせさらに何でも入ります。
カートを楽に移動できるように通路もかなり広いです。

2.2階の食品、雑貨、洋服、靴、書店、電気製品売り場がすべて同じフロアーでまったくしきりがなく、すべて一緒にレジで精算できる。
これは日本では他にないです。たいていのスーパーは1階が食品、その上が洋服、雑貨、家具、さらにその上が電気製品という構成ですが、
全部同じところにあるなんてすごいです。
さらに注目なのは食器や調理用具の置いてあるところに料理の本も置いてあること。
その場で料理の本をみながら器具を選べます。
さすがに食品は冷蔵が必要なので別でしたが。

3. 値段が安いものは徹底的に安い。
通常のもののお値段は普通の店と変わりません。が、安いものはめちゃくちゃ安いです。
10型のレンチがたった78円とか、5kgのあきたこまちが1480円とか。もうダイソーもびっくりです。
野菜も1個単位で買えるので25円とかでものすごく安い感覚がします。(たまねぎ、にんじんとかまとめられてても使いきれませんからね。)

4. 買うものが10個以下の人専用のレジがある。
いつも思うことですが、ちょっと牛乳と魚一切れを買うだけで、レジの列に長々と並ばなければいけないのは嫌なことです。
そこで、このサービスは本当に嬉しいです。あっというまに精算が終わってしまいました。
こっちがお金を払っている間に、店の人が袋にもいれてくれました。

5. 店員さんがローラースケートで移動する
これで仕事が効率的になるかどうかはわかりませんが、少なくともパフォーマンスにはなります。広い店内でお客さんがいないときには早く移動できる。
新入社員研修ではローラースケート実技必修?そんなことはないか(笑)。

まだまだあげればきりはありませんが、お客さんのことを考えたスーパーです。
日本の小売りは不況といわれていますが、工夫すべき点はいくらでもある気がします。
政治家ばかりに不況の責任を押し付けないで、自ら努力しましょう。

2001年4月1日


今日は東京ゲームショーとフランス大手スーパーのCarrefour(カルフール)について

 幕張メッセで東京ゲームショーが行われていました。
金曜日にはビル・ゲイツ氏が来て何か演説したようです。見たかったなあ。
ゲームショーってほんとにショーなんですね。
よくある展示会のように担当者がいていろいろ質問を受け付けたりするのかと思って行ったので、ちょっと残念でした。
出展している企業はほとんど大手企業と一部の小さなゲーム会社、韓国のゲーム会社等でした。
Microsoftはめちゃくちゃでっかいスクリーンを用意して派手に宣伝をぶちかましていました。
でも、グラフィックが優れていてネットワークカード搭載とか言っているのみで、
PS2やDCと戦略的に何が異なるのか全く見えてきませんでした。
グラフィック処理性能が1200万ポリゴン/sとPS2の2倍で、HDD8GB、3倍速DVD搭載とはいっても他と比べてはるかにいいというものではないですし、この性能ならよほどパソコンの方がいいです。
派手な戦略のおかげで最初は百万台は売れるでしょうが、その後は面白いソフトが出るかどうかにかかっていると思います。
ゲーマーはCPUの処理性能よりもソフトに興味があるんですからね。
というようなことをアンケートに書いてきました。ちゃっと見てくれのかねえ。
 ハドソンブースにはあの高橋名人が来ていました。あのころはみんな小学生だったんですねえ。
「大の男から小学生のときファンでしたと挨拶されて困ってしまう」と高橋名人は笑っていました。
昔のなつかしのゲームが今度はiアプリとしてDocomoの最新機種でプレイできるようです。
電車の中で携帯でピコピコやるんでしょうか。これって現代版ゲームウォッチ?
 スクウェアブースでは、FFXの試遊コーナーにたくさん人が並んでいた。
やたらと画像が凝っています。もうアニメ映画よりすごい。
ただ、私個人としては画像が凝った半映画もののゲームよりも、
自分で自由に世界を旅できるようなゲームをやってみたいです。
今のRPGは最後のボスを倒すのが目的ですけどそうじゃなくて、例えば、
航海士の息子として生まれ世界中を船で旅し世界最強の海賊軍団をつくりあげるとか。
商人の息子に生まれるが、家を飛び出し城の衛兵に志願し、ゆくゆくは出世して王様側近の参謀になるとか。
いろいろな人生を体験できるRPGがあればいいと思います。
 ゲームショーはサブとしてコスプレもあるんですね。個人が勝手にキャラクターの衣裳を着ているだけだと思いますが、コミケと違って誰でも写真を撮れるので外の通路は大勢の人でごったがえしていました。
美少女キャラものがはやりみたいだけれど、個人的には勇者やドワーフの衣裳がおもしろいと思いました。

続く