受験対策
よく、独学か、専門学校かという話題を耳にしますが、どちらの手段をとるにせよ、まず基本事項を身につけ、その後充分な問題練習をすることが合格への道だと思います。
大学受験にしても、自分の家で勉強する人と、予備校や塾に通って勉強する人がいますが、どちらが有利か不利かということはいえません。結局は問題の解けた人が受かります。
簿記は1級を除けば、数ある試験・検定の中では簡単な部類に入ると思います。単純な比較はできませんが、必要な勉強時間でいったら、よほど英検2級の方が難しいと思います。
ただ、簿記試験は精算表を完成させたり原価を計算したりする実務的な試験なので、充分に練習することが大切だと思います。
そこで、独学で時間のない人がどう勉強すればよいか考えてみました。
以下は私が独学で日商簿記2級の勉強をして、こうすればよかったかなとちょっと反省しながら書いてみたものです。
1.
まずざっとテキストを読む。わからなくても気にしない。
テキストには、たくさんの用語や帳簿が登場します。特に工業簿記のテキストに多いです。これらを全部覚えようとしたらかなり大変ですし、前途多難に見えてきます。
試験には用語の意味を書かせる問題は出ないので、用語を覚える必要はないです。
また仕訳でわからない部分があっても飛ばしてどんどん読んでいきます。
どこにどんなものが書いてあったか覚えている程度でよいでしょう。
2.
問題集あるいは過去問題に、はじめはテキスト、解答を見ながら取り組む。
テキストを読むだけで理解するのは非常に時間がかかります。
そこで、テキストをざっと読んだら、問題を解きながら理解していきます。
時間があれば問題集でもいいですし、時間がなければいきなり過去問でもいいでしょう。
当然ながら問題はまったく解けないので、堂々とテキストや解答を見てそれをなかば写していきます。
カンニングみたいでいやな気分がするかもしれませんが、簿記試験は実務試験なので、実際に電卓で計算し、用紙に記入するという作業が重要です。
何度も写しているうちに手順が見えてくると思います。問題のパターンもわかってきます。この時点でよくわからない項目を徹底的に理解します。単独では理解できなかった項目も全体を結びつけるとわかることもあるでしょう。
ただし、どうしても理解できない場合はそういうものだと思いこんで暗記します。勉強のために良い方法とはいえませんが、独学で短い期間で合格するためには要領も必要です。試験後の余裕のある時に誰かに聞けばよいでしょう。
3. 何も見ないで時間をかけて問題に取り組む。
テキストを見なくても問題が解けそうだと思ったら、何も見ないで問題を解きます。この際、時間を気にしないで納得のゆくまで考えて答案を埋めます。その後、解答を見て間違っていた部分を徹底的に復習し、またチェックしておきます。
4. 試験直前には間違えた部分だけを徹底的に復習する。
一度正解した個所は何度やっても正解します。反対に一度間違えた個所は何度も間違える可能性があります。すべての範囲を復習する時間はないので、チェックしてある間違えた部分だけを徹底的に解きなおし、時間内に解けるようにします。
5.
試験ではとにかくわかるところから解答用紙を埋めていく
精算表作成や原価計算は時間がかかり、解答時間内に終わらなくなってしまう可能性があります。
そこで、とにかく手を動かし、わかるところをどんどん埋めていきます。わからないものはいくら考えてもわからないことが多いので最後にまわしましょう。
6.
試験後、今までわからなかったところをテキスト等で完璧に理解しておく。
試験が終わると遊びモードに入ってしまう人が多いと思いますが、試験勉強で頭が簿記になれている試験後が勉強の最大のチャンスです。特に試験で大きなミスをした人はその悔しさから大きな勉強効果があります。(その反対もあるかも?)
もう一度受験することになっても次回では決して間違えないでしょう。また、試験後の余裕のある時間を使って今までわからなかったところを徹底的に理解しておけば、上の級を受ける場合や実務で使う場合に、忘れてしまって一からやり直すという非効率なことをしなくてもすむでしょう。
以上が、私が考える独学短期合格法です。といっても誰もがこれで受かるとは思いません。そもそも、万人に共通な必勝法など、どの世界でもないので、自分で自分に最も合った勉強法を導きだすことができた人が、独学で勝利を収めることができると思います。
ただ、簿記は実務ができないと意味がないので、検定のためではなく簿記技術習得のためという意味では、実務を体験させてくれるような専門学校に行って学ぶのがよいでしょう。
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